2011年4月 高校生 就職 ニュース 【高卒求人ドットニュース】
『未曾有の大災害で、先行きの見えない雇用情勢』
先月、厚生労働省より発表された報道では、
今年1月末時点での高校新卒者の就職内定率は
昨年よりも上がり、上昇気流が多少なりとも見えはじめたかに思えたが、
東北地方の太平洋沿岸を襲った大規模地震の被害により、
状況は再び先行き不透明な状況に…。
薄明かりが見えた2011年度だったが…
3月18日に厚生労働省が1月末現在の就職内定状況を発表した。
求職者約16万3千人に対して、内定者は約13万6千人となり、
内定率は83・5%(全国平均)で前年同期より2・4ポイント増えた。
求人数が0・4%減で求職者が同1・3%増という昨年以上に厳しい状況の中で内定率が増えた背景には、
ハローワークと各先生方が、求人情報や未内定の生徒の状況を共有し
素早い対応で生徒の就職活動に向き合った結果であると言えるだろう。
しかし、過去最大の下げ幅(6・4ポイント減)だった前年と比較すると確かに回復したわけだが、
依然厳しい環境であると言わざるをえない。
また今回の東日本巨大地震で多くの企業が被災し、
就職の決まった学生の内定が取り消される事態も予想されるため、
4月以降の入社状況が悪化する可能性があると報道する新聞も多い。
厚生労働省によると、企業は内定通知を出した段階で学生と労働契約を結んだことになり、内定取消は原則禁止。
しかし、震災で事業継続が困難なほど経営が悪化した場合などは、認めざるをえないとしている。
文部科学省は、内定切りを懸念し緊急支援策の検討に入ったとあるが、時期が時期だけに厳しい状況と言えるだろう。
昨年は3月末現在の内定率が93・9%で内定者数が14万4千人であったが、
今年は最終的に発表される人数からは、4月1日以降実際に社会人としてスタートを切れる人数が
読めないのが実情である。
2012年春の採用計画は…
「2012年春に入社を予定する大学生や高校生の就職戦線に明るさが見え始めた。
景気の緩やかな回復と企業業績の好転で、
過去最悪の就職氷河期は峠を越える可能性もある」という記事があった(3月10日 読売新聞より)。
リクルートワークス研究所の調査(昨年12月時点)でも、
12年春の大学生・大学院新卒者の採用が前年より「増える」(9・3%)は
3年ぶりに「減る」(7・5%)を上回ったとあった。
これらを見る限り、2012年採用に関しては、求人が積極的になるのではないかと予想が出来る。
しかし、これが3月23日の読売新聞の記事では、厚生労働省幹部は
「ただでさえ悪い就職状況が、震災の影響で一段と悪化しかねないと懸念を強めている」と変わってしまった。
未曾有の大災害を受けてスタートすることになる2012年春の採用活動であるが、先行きは全く不透明となっている。
日々変わる状況の中で、大事なことは情報収集と状況判断であり、
昨年度同様、行政と学校側が一つのタッグを組み、対応していく事で光りが見えてくるのではないだろうか。
(ブリスクマガジン編集部)